耶馬渓しのぐ吾妻峡 ~新緑の吾妻峡ハイライト~

2024/05/20
八重桜も咲き終わり、初夏の木々が若色になってきた4月下旬に、群馬県東吾妻町の吾妻渓谷に出かけてきました。
群馬県民になじみの上毛かるた「や」の札で、「耶馬渓しのぐ吾妻峡(やばけい しのぐ あがつまきょう)」と詠われています。
今回は東吾観光協会のガイドさんの案内で歩く「新緑の吾妻峡ハイライト」半日コースへ参加しました。


1 水仙ちゃんのお出迎え
十二沢パーキングから、猿橋―八丁暗がり―八ッ場ダムまでという代表的なコースのトレッキングです。
東吾妻町のマスコット「水仙ちゃん」の看板に迎えられ、まずは猿橋を渡ります。

小雨が時折ぱらつく天気でしたが、萌えだした木々の葉は新鮮な若草色で、何とも清々しいです。

(猿橋)

2 五寸釘が針になる川
渓谷を流れる吾妻川はかつて、「五寸釘が針になる」といわれるほど、強い酸性の水が流れていました。それは、上流の草津白根山の火山活動による硫黄成分が溶け出してきているからです。
「草津よいとこ薬の温泉」といわれる草津温泉も火山の恵みですが、下流に流れると、魚が棲めない、河川の水が農作物や飲料に適さない、鉄やコンクリートなどを用いた建造物の損傷が激しいなど、人間の生活に多くの負担を強いていました。
そこで、吾妻川に流入する酸性河川のひとつである湯川の水を石灰で中和して、川を甦らせようという取り組みが1964(昭和39)年から始まりました。世界に先駆けて行われた中和事業で、1日の石灰石粉使用量は約55t、年間使用量は約2万tにのぼり、もちろん現在も継続して行われています。

3 八丁暗がり
吾妻峡の中で両岸がもっとも狭まったところ。総延長が八丁(約900メートル)あることから、こう呼ばれています。最も狭いところは川幅が2~3メートルで、昔、鹿が飛んで渡ったことから、「鹿飛」と呼ばれています。
移設された旧JR吾妻線のレールは、現在、その一部は吾妻峡レールバイクA-Gattan!(アガッタン)(2人以上乗りの自転車型トロッコ)として、走ることができます。元日本一短いトンネル「樽沢隧道」(全長7.2 m)もあります。

解散場所の八ッ場ダムまで、ガイドさんの説明や草花の解説などを伺いながら、2時間半ほどでした。まるでブラタモリのような、「へえ!」と思うトリビア&豆知識に満ちた楽しい時間でした。

(ガイドさんと記念撮影)
群馬県の『ぐんま山と森林』イベント一覧でみつけての初参加でしたが、次回は紅葉の頃にも行ってみたいものです。

参考
群馬県ウェブサイト>令和6年度『ぐんま山と森林』イベント一覧
国土交通省関東地方整備局>品木ダム水質管理所>中和事業とは

==プロフィール==
プラン行政書士事務所  代表行政書士  中西浩子
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